こんにちは、ドイツ・デュースブルク在住のUmineko1848です。
いきなりですが、ちょっと地理のクイズをしてみましょう。
まずは、お手元に世界地図かヨーロッパの地図を用意してください。
なければGoogleマップでも構いません。
では、地図の中からイギリスを指さしてください。
イギリスの場所くらい子どもでもわかりますよね。
では、次にノルウェーはどこにありますか?
正解はスカンジナビア半島の外縁、西側の細長い国です。
スウェーデンと迷った人もいるかもしれません。
最後に、スロバキアは?
スロベニアじゃありません。スロバキアです。
ひょっとしてわからない?
正解はここ。
あなたはスロバキアと聞いて、最初に何を思い浮かべますか。
全世界のスロバキア人とスロバキアを愛する皆さん、ごめんなさい。
私はなかなか浮かんできません。
同じヨーロッパに住んでいながら、知っていることと言えばせいぜい、首都はブラチスラバ、国旗は白青赤でやや中央左側に十字が描かれている、20年くらい前までチェコと同じ国だった程度でした。
日本からの直行便もなく、ほとんどの日本人には馴染みがない国スロバキア。
今回は、私が2018年夏に訪れたスロバキアのピエシュチャニPiešťanyを取り上げ、その知られざる魅力を二回に分けてお伝えしたいと思います。
スロバキア最大の温泉街 ピエシュチャニ
ピエシュチャニは、スロバキアの西部、ブラチスラバから車で約1時間のところに位置しています。
上で示した地図の、ちょうど赤いピンが刺さっているところです。
人口およそ3万のこの都市は、温泉をはじめとするスパリゾートが有名です。
温泉というと、普通は和のイメージ。
山のふもとの露天風呂。
大きな石造りの湯舟にどっぷり浸かり、頭に手ぬぐいをのせてゆったり。
たまにお猪口で日本酒を飲んだりなんかして。
しかし、ピエシュチャニの温泉は、そういう雰囲気ではありません。
たしかにリラクゼーションや美容もさることながら、どちらかというと「治療」に重点を置いた温泉です。
その証拠がこのブロンズ像。
この像は、運河に囲まれたスパ施設が密集している地区、通称「スパ・アイランド」と街の中心地をつなぐ橋のそばに建てられています。
男性が「こんなもん要らん!」と松葉杖をボキッと折っているところです。
すなわち、ここの温泉は万病に効き、浸かれば健康になるいうことを表しているのです。
これはピエシュチャニの市章にもなっています。
それでは、さっそく橋を渡ってスパ・アイランドに行ってみましょう。
ついにスパ・アイランドに潜入!
こちらが人を極楽へと導くスパ・アイランドです。
写真の左側に映っているのは高級ホテル。
右側には並木道が広がり、その奥に開放的なカフェや野外ステージ、プールなどがあって、一日中人々で賑わっています。
お年寄りや車いすの方も多く来ていますし、子ども連れの家族や自転車旅行の一団も見受けられます。
周辺をそぞろ歩いていると、ある建物の一角に人が集まってますね。
何でしょうか。
蛇口からとめどなく流れるお湯を人々がコップやペットボトルに汲んで、一様に飲んでいいます。
そう、これは「飲む温泉」。
ピエシュチャニの地下から湧くミネラル・カルシュウム・マグネシウムが豊富な鉱水で、温度は正面に書かれている通り60℃。
では、私もさっそく…。
感想は一言、クサい。
実は、この周囲に来てから何となく気づいていました。
温泉だから仕方がありませんが、俗にいう「ゆで卵のにおい」です。
口に含むとやや塩味が感じられ、本当に塩をふったゆで卵を飲んでいるような感覚です。
お世辞にもおいしいとは言えませんが、まあ体にいいわけだし、鼻先をつまんで流し込むとしましょう。
憩いの温泉、安らぎの塩洞窟セラピー、修行の泥パック!
ニオイに心が折れそうになるも、ここからはスパの時間です。
下の建物全体が、マッサージや温泉がある施設です。
私は事前に、温泉入浴と塩洞窟セラピー、背中の泥パックを予約しました。
ヨーロッパだからでしょうか、やはり日本の温泉とはちょっと違います。
お湯は柔らかく白濁しており、温度は38-39℃と一般的な日本の温泉より低め。
プール様の広い湯舟にちゃぽんと浸かります。
一気に疲れを飛ばすというより、じわじわと体をほぐすという感覚に近いです。
二つ目の塩洞窟セラピーでは、床・天井・壁に一面塩の結晶が施されいる部屋(英語でSalt Caveといいます)に入って約一時間ほど寝ます。
すると不思議なことに、気道が広がり、深く呼吸ができるようになります。
喘息やアレルギーにも効くとのことです。
最後は泥パック。
温めた泥をベッドに敷き、仰向けで横になって、泥とともに体全体をシーツ、さらに厚手の毛布で包みます。
10分ほどすると全身から汗が吹き出します。ほぼ苦行です。
一時間後、上半身についた泥をシャワーで流したら、今度は泥なしで再びシーツと毛布に包まります。
30分後、パック終了。
暑さと束縛から解き放たれると、尋常ではない爽快感が襲ってきます!
何というべきでしょうか。
見る景色がワントーン明るくなるというか、視野が15度ぐらい左右に広がる感覚を覚えます。
きっと日頃の疲れがとれた証ですね!
ところで、スパが実際どんな様子だったかを写真でお伝えしたかったのですが、残念ながら私を含め利用者は男女ともに裸に近い恰好か水着姿になるため、撮影できませんでした。
詳しく知りたい方は、Danubius Hotels Groupのホームページにアクセスしてください。
まとめ
フランスやドイツなど、多くのヨーロッパ人たちが遠出をしてでもこの温泉を求めた理由は大いに頷けます。
今回はピエシュチャニのスパリゾートをお伝えしましたが、次回は、「日本ではほぼ無名?スロバキアの知られざる温泉スパリゾート地・ピエシュチャニ(2)グルメ・観光編」というタイトルのもと、スパ以外の魅力を特集したいと思います。
そちらも併せてお読みください。