知られざるトムヤムクンの世界(赤くないトムヤムから効果効能まで)

世界三大スープとして知られるトムヤムクン。現地では様々な味、調理法、料理として人々の食に根付いています。そして実は健康にも良いというトムヤムの薬効もご紹介していきたいとおもいます。

 

スープだけでも選べる2種類。具はなんでもOK

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世界三大スープと言われるトムヤムの王道「トムヤムクン」

「トムヤムクン」といえば、おそらく日本でも1番有名なタイ料理ではないでしょうか。トム(煮る)+ヤム(和える)+クン(えび)、この3語を組み合わせたものが料理名で、最後のクン(えび)の部分の具材を変えるとそれにともない料理名も変わるのです。

たとえば鶏肉をつかうと鶏肉はタイ語でガイなのでトムヤムガイ。シーフドだとそのままでも現地で通じるのでトムヤムシーフード、といった具合。

その他にもタイ人に人気の具材は魚の頭を入れたトムヤムフアプラーや、キノコをたくさん入れたトムヤムヘット、イワシのトマト煮の缶詰を使ったトムヤムプラーガポン、シーフードレストランには伊勢海老を使ったトムヤムクンモンコンという贅沢なトムヤムもあります。

とにかくスープに入れることのできる具材ならなんでもOK、好きな具材で楽しむことのできるスープなのです。

 

そして、トムヤムクンといえばあの辛そうだけれど食欲をそそる赤いスープがトレードマーク。

しかし、全く赤くない透明なスープも存在するのです。

赤いスープはナムコンと呼ばれ、注文時にはトムヤムクンナムコンと注文するとこの赤いスープのトムヤムが出てきます。

赤いスープの正体はナムプリックパオという干しエビや唐辛子、にんにくなどを油で炒めた調味料で、さらにココナツミルクやエバミルクなどでコクを加えます。

一方透明なスープはナムサーイと呼ばれ、海老の透明なトムヤムであればトムヤムクンナムサーイと注文します。

こちらは味付けはダシにライム、ナムプラーなど最低限ですが、ハーブの味がダイレクトに感じられることができ、さっぱりとしているので一度は試してもらいたい一品です。

 

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日本ではあまり見かけないクリアなスープのトムヤム、こちらの具材は鶏肉

 

スープ以外にもある、さまざまなトムヤム料理

 

トムヤムが大好きなタイ国民。

現地ではスープ以外にもトムヤムの味付けの料理が親しまれています。

トムヤムに入れる食材や調味料で作る炒飯、カオパットトムヤムヘーン(トムヤム炒飯)、お米を麺に変えるとクイッティアオパットムヤムヘーン(トムヤム焼きそば)といった具合で手軽にランチとして食べられるメニューとなります。

屋台のタイラーメン屋さんでも、「トムヤム!」と注文すると特製トムヤムペーストを入れてトムヤム味のラーメンを作ってくれます。

また、タイ風鍋のタイスキでも最近ではスープを普通の透明なスープとトムヤム風味のスープから選ぶことができ人気です。またお菓子の世界でもトムヤム味は大人気。

ポテトチップスなどのスナック菓子、またインスタントラーメンにもたくさんのトムヤムフレーバーがあります。

このようにタイにはトムヤムがあふれていて、タイ人たちは選択を迫られるとついついトムヤム味を選択してしまっているように思います。

とにもかくにも、タイ人にとって、身近で安心できて、外さない味付けなのでしょう。

 

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コブミカンの葉やレモングラスの香りで一味変わったトムヤム炒飯

 

おいしくて、かつ体にも良い万能フード

とても興味深いデーターがあります。タイ人の消化器系ガンの罹患率は、日本人など他のアジア諸国にくらべるとなんと半分以下なのだそう。

トムヤムに含まれるハーブ、特にナンキョウ(タイ生姜)、レモングラス、カフェライム(コブミカン)の葉に抗がん作用があるという研究結果があります。

他にも抗酸化作用があり、ビタミンも豊富に含まれているトムヤム。

美容と健康にも良くおいしいトムヤム料理。

タイに来た時はもちろん、機会があれば是非取り入れてみてはいかがでしょうか。