「チキンライス」と言うと、ごはんと鶏肉、玉ねぎをケッチャプと一緒に炒めたごはん、そうです、オムライスの中身をイメージしがちですが、東南アジア地域では、「チキンライス」と言えば、蒸した鶏肉のブツ切りと、鶏ガラスープで炊いた鶏飯、それと先程のスープも併せて供される料理をイメージします。
「チキンライス」は、旅行ガイドなどでは、シンガポールの定番料理と言ったイメージが作られていますが、もともとは中国海南島出身の華僑が、昔から農家などで家庭料理として食べられていた、鶏肉と米飯の料理を「故郷の味」として伝えてきたものです。
したがって、シンガポールに限らず、華僑などの中華系マレーシア人が人口の30%を占める、ここマレーシアでも、いたるところのホーカー(屋台)や、自称専門店と言う店舗で、数多く供されています。
でも、味は千差万別で、ピンからキリまでと言ったところです。
調理ブースに何本も並んで吊り下げられた丸焼きチキンが目印。
自宅のすぐ近くにある、行きつけのショッピングモール(?)Wangsa Walk Mallのレストラン街にあるお店です。
兎に角、クアラルンプールの主要なショッピングモールなら、どこにでもあると言っても、過言ではありません。
さて、ザチキンライスショップの大きなロゴの店内に入ると、結構、小奇麗で洒落た感じです。
あえて言えば、普通のレストランですが、ホーカー(露店)のように、調理ブースがあり、そこには、皮がしっとり乳白色の、茹で上がったチキン丸々一羽や、こんがりキツネ色にローストされた丸焼きチキンが、何本も並んで吊り下げられているのが食欲を誘います。
今回注文したのがこれです。
チキンライスのセットで、16.6RM(¥450)です。
しばらくすると、カラトリーがこんなかわいらしい“ニワトリのカゴ”に入って提供されます。
カラトリーの内容は、フォークとスプーン。
え!とびっくりするかもしれませんが、マレーシアでは左手にフォーク、右手にスプーン、これが基本です。
スプーンはナイフの役も兼ねていて、慣れると使いやすいですよ。
“はし”は中国、日本、韓国料理位しか出てきません。
まあ、もっともマレー系や、インド系のマレーシア人の中には、時々、右手の指をスプーンの様に器用に使って食べる人もいます。
なんだか付け合わせも色々ついていて、バラエティー豊か。 楽しめますよ♪
ここからが、チェーン店らしいところ。
色々な付け合わせが付いてきます。
左はニョニャ料理の“パイティ”だそうです。
ヤクルトのカップを半分に切ったくらいの大きさ。
まあ、いかにも機械作りの量産品的な見栄えですが、カップはパリパリで湿気てないし、中身は結構美味しい鶏ひき肉と野菜の炒めもの。
見栄えは良くないですが、かなり、美味しいですよ。
でも、この横倒しの盛り付けはいただけません。
となりは何かと思ったら、もやし炒め。 これも味的には悪くないです。
デザートも、そこそこ美味しいけれど、もっそと見栄えをよくしてほしいな~!
デザートは、カラフルなナタデココのシロップ漬け。
食感も、甘みもGOOD! けっこう美味しかった。
でも、食堂の茶飲み茶碗ではなく、ガラスの器とかにして欲しかったな~というのが感想です。他にドリンクが付いています。
右のコップで、ちなみにスプライトを注文しました。
でも、でも、鶏飯とセットになる蒸し鶏は、意外な美味しさでビックリ!
さあ、いよいよです!
まずは、メインディッシュの“白切鶏(蒸し鶏)”。
とにかく、肉質はやわらか、とは言っても弾力もあってジューシーな、と言う感じです。
蒸すときに使う調味料の味も良い具合にしみ込んで、いくらでも食べられるというところですね。
あきらかに、個人店の方が完全に負けてるな! そう思います。
欲を言えば、もうちょっときれいに盛り付けたら?
それでは、本命のチキンライスはどうでしょうか。
店名にチキンライスと歌っているだけあって、さすがっていうお味。
炊き具合といい、チキンの旨さの香る味と言い、ん~さすがだなと言う出来栄え。
チェーン店だから万人受けする味ではなく、あっさりだけど味わい深い。 皆が美味い!と感ずる旨さですね。
今回、ご紹介した「ザ チキンライス ショップ」はファーストフードタイプのファミレスチェーン店。
この店はマレーシア発祥で、本場のシンガポールやフィリピン、台湾にまで展開するほど!
チェーン店だからと言って、あなどってはいけません。
早くて、安くて、絶品で美味しい! 是非、ご賞味あれ♪
ところで、タイの“カオマンガイ”、インドネシアの“ナシアヤム” みんなチキンライスの仲間です。
どれも、華僑が伝えた料理です。
中国人はずいぶん昔から、アジア各地に移住していったのが分かります。
どの国でも、チキンライスは“ソールフード”のようです。
マレーシアでは、スーパーに行くと炊飯器で簡単に作れるチキンライスの素が売られているほどです。
何種類もありますが、画像のメーカーのものは、そこそこ美味しいですから、お土産に、買って帰ると喜ばれると思います。
もっとも、『The Chicken Rice Shop 』の旨さには到底かないません。