ドイツのほのぼの都市 ミュールハイム庭園とブロイヒ城

こんにちは、ドイツ・デュースブルク在住のUmineko1848です。

今回の旅の目的地は、ミュールハイム・アン・デア・ルールです。

この地名を聞いてピンとくるのは、おそらくドイツのルール地方にお住まいになったことがある人だけ。

そうでなければ、相当な地理マニアと言えるでしょう。

名前、やたら長いし。その理由については後でお話しします。とりあえず、以下ミュールハイムと省略します。

さて、このミュールハイムには、少し足を延ばしてでも行くべきところがいくつかあるのです。

今日はそのうちのミュールハイム庭園とブロイヒ城をご紹介したいと思います。

 

まずはミュールハイムについて

タイトルは「ほのぼの都市」としました。

単に田園風景が広がるのどかな田舎だからというわけではありません。

むしろ、第二次世界大戦までは炭鉱と鉄の工業都市として、ほかの近隣都市と同じく、汗をかいてドイツを支えた街です。

では、なぜ「ほのぼの」なのか。

それは炭鉱を閉鎖して以来、現在では裕福な高齢者の住宅地に生まれかわったからです。

それゆえ、デュースブルクやエッセンなど都市のあいだにポツンと佇む、人口約17万の落ち着いた街として独特な雰囲気を漂わせています。

先ほども書きましたが、正式名称はミュールハイム・アン・デア・ルール。

この「アン・デア・ルール」というのは、「ルール川沿いの」という意味で、ルール川が文字通り街の中心をほぼ南北に貫いています。

「ミュールハイム」というのはドイツではよくある地名なので、ほかのと区別するために付されているのです。

 

ミュールハイム庭園

ゆったりの時間が流れるミュールハイムで、一際和やかな情緒を生み出しているのがここミュールハイム庭園(Mülheims Garten an der Ruhr)です。

ミュールハイム中央駅から102番か901番の路面電車で2駅、徒歩でも20分で行くことができます。そしてなんと、ちょうど私が訪れたとき時はビール祭りが開催中でした。

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ドイツビールのスタンドは当然のことながら、手前にスペイン、奧にクロアチアのメーカーも見えますね。

今回は車だったのでビールは泣く泣くあきらめ、その代わり、遠くから聞こえるバンド演奏を聞きつつベンチに座りルール川を眺めました。

木陰の下、思わずまどろみながら、川面をゆっくりと滑るボートや遊覧船を目をやる。

まさに繭に包まれたような感覚です。

 

ブロイヒ城

ベンチを立ち、庭園内を大通り方面に歩きます。

するとベルク通りの反対側へ渡る歩道橋が見えてきます。ここを渡ると、いよいよもう一つの見どころ、ブロイヒ城(Schloss Broich)が姿を現します。

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ドイツのお城というと、ノイシュヴァンシュタイン城のような壮麗な光景を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ここはやや雰囲気が異なります。

そもそも19世紀に建てられたノイシュヴァンシュタイン城は、美しさだけに特化した「見せる」ためのお城です。

一方、ここブロイヒ城の歴史はそれより1000年古く、なおかつ戦闘のために建てられた「要塞」です。

ブロイヒ城は、東フランケン公ハインリヒによって883/884年に、一帯を占領していたノルマン人の攻撃から街を守るために建設されました。

やがて貴族の手に渡りますが、15世紀に諸侯らの戦争でほぼ完全に破壊。

その後何度か再建されましたが、第二次世界大戦中の空襲で再び荒廃します。

1967年から1974年にかけ、コープレンツ生まれの美術史家ギュンター・ビンディングGünther Bindingの手によって復元され、現在まで残っています。

 

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実は写真の手前に、この歴史を伝える小さな博物館があるのですが、私が来た頃に閉館時間となってしまい、見ることができませんでした。

ちなみに開館時間は2018年現在、1月から2月は週末のみ12~15時、3月から11月は同じく週末のみで11~17時です。12月は閉館のようです。

この波乱に満ちた城の歴史をもっと知りたい方は、ぜひどうぞ。

 

まとめ

さて、いかがでしょうか。現地に住んでいる人でも思わず通り過ぎてしまうミュールハイムですが、実は見ごたえのある場所が結構あります。

ドイツ旅行中、近くにお立ち寄りの際はぜひ行ってみてください。