隣国フランスやチェコに比べるとドイツは粗食大国と言えますが、それでもパンの美味しさは特筆すべきものがあります。
多くのパン屋は朝の6時から店を開けており、週末ともなるとお父さんも子供たちと一緒に列に並んで朝食用のパンを買い求めています。
『人はパンのみにいきるにあらず』とも言いますが、日本人がお米に対してこだわりを持っているように、ドイツ人はパンに対してこだわりを持っているようです。
街のいたるところにBäckereiがあり、需要の高さがうかがえます。最近ではスーパーで売られているセルフサービスのパンもあなどれず、個人商店、ビオの店と並び選択肢の一つとなっています。
パンの種類
いったい全部で何種類のパンがドイツに存在するのか、見当もつきません。
定番はシュリッペという白い丸い15センチほどのパンです。
そのほかにも、ライ麦パン、プレッツエル、かぼちゃの種のパン、ひまわりの種のパン、チャバッタ、フランスのクロワッサン。甘いケーキもパンの仲間とみなされているのか、マフィン、チーズケーキ、アップルケーキなどもパン屋の定番です。
スーパーのパン
Lidl, Edeka, Aldi, Kaufland, これらはドイツ全土に展開する大型スーパーですが、これらのスーパーの一角にはセルフサービスでパンをとって買うコーナーがあります。
とりわけLidl やEdeka のこのパンコーナーは値段が安いにも関わらず美味しく、外国人ばかりでなくドイツ人にも人気があるようで、5個10個とまとめて袋に入れて買っているのをよく見かけます。
クロワッサンひとつ39セント、マフィン79セント、かぼちゃの種のパン29セント。個人商店の半額以下と言えます。
また豊富な種類も魅力の一つです。トルコ人が多く住むベルリンならではなのかBörekというトルコのパンも売られています。
個人商店のパン屋はだいたい夕方6時で閉まるのに対し、スーパーは夜8時または10時まで開いているので利用しやすいのも魅力です。
ビオのパン
ドイツ内でビオをうたったスーパーにはBio Campany, Altanura などがありますが、
何を持ってしてBIOと定義するかは曖昧な部分も多いようです。
必ずしも無農薬有機栽培の食品ばかりを扱っているわけではなく、めずらし外国のものもBIOとみなされているようで、おにぎりがひとつ2.9ユーロで売られていたりもします。
パンに関していえば、多少値段は高めでも気のせいか美味しいと感じることが多いです。
また、食べ物を大事にする、なるべく廃棄処分にしないのもビオスーパーの特徴で、前日に売れ残ったパンを半額で買うことができるのも嬉しい点です。
Lindner
Lindnerもドイツ全土に展開しており、ベルリン市内でも至る所で見つけることができます。
ここのパンは平均的なベルリンのパン屋と比べると高級な部類に属するかもしれません。値段を見る限り多少割高な印象を受けます。
定番のシュリッペンはひとつ35セント。
クロワッサンひとつ1ユーロ60セント。
かぼちゃの種のパンはひとつ85セント。
しかし、Lindner の店内にはパンの他にもチーズやハム、量り売りのサラダなどのデリカテッセンなどあり、テイクアウトすることもできますしお店の中で食べることもできます。
昼下がり、お店の中で年配のお婆さんが、チーズやサラダをつまみながら一人でワインを飲んでいる光景は優雅な感じがします。
ここのお店はまた、多くの種類のケーキがあるのも魅力です。