ベルリンから見るアジアの食文化

ベルリンにはアメリカや日本にあるようなチャイナタウンなるものはありませんが、数多くのアジアレストランが点在します。

シャルロッテンブルグ地区を走るKantstrasseには、およそ1キロに渡って中華、コリアン、ベトナム、といったアジアレストランが立ち並んでいます。

中には無国籍と思えるようなものもありますが、それでも今まで馴染みのなかった新しい味を知ることができるのは楽しみの一つです。

また、仕事や留学でベルリンに移り住むアジア人が増えているためか、アジアンスーパーマーケットの数も増えており、手軽に日本だけでなく他のアジアの国の食材を手に入れることができます。中でも go asia という名のアジアンスーパーマーケットは品揃えも豊富で、アジアの食文化の豊さとパワーを垣間見ることができます。

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アジアンスーパー go asia

ドイツ全土に展開しているgo asia ですが、ベルリン市内には現在5店舗存在します。

いずれも立地の良い場所にあり、観光や買い物のについでに気楽に立ち寄ることができます。

例えば、S-Bahn ポツダムプラッツの駅構内にある店舗は、フィルハーモニーホールから徒歩10分ほどで、フィルハーモニー詣でのついでに見ることができます。

Turmstr.にある店舗は、ちょうど空港行きのバスTXLの停まるバス停の向かいにあり、乗り換えやバスの待ち時間などに便利です。

Charlottenburgの店舗のすぐ先にはWillmersdorferstr.というショッピングストリートがあり、ベルリンに住むトルコ人やドイツ人の日常生活を垣間見ることができます。

 

アジアの豊かさとその特徴

このスーパーに置かれている商品の中で最もその存在感を示しているのは麺類といえます。

壁一面の棚に中国、韓国、台湾、香港、マレーシア、ベトナムといった国々のありとあらゆる種類の麺やインスタントラーメンが並んでいるのは目を見張るものがありますし、また同時にアジアの麺の文化の豊かさを再確認することができます。

担々麺、牛肉麺、ラクサ、フォー、冷麺、ビーフン、バッタイ、など挙げていけばきりがありません。

イタリアにも様々な種類や形態のパスタがありますが、アジアの麺文化はそれをしのいでいるように思えます。

個人的に日本人と台湾人は考え方や習慣が近く親しくなりやすいと感じていますが、台湾の麺料理も日本人には馴染みやすいものが多いようです。

スパイスや調味料、食材の種類の豊富さに関しては中国が抜きんでているようです。

豆板醤、豆豉、甜麺醤、腐乳、オイスターソース、花椒、八角、クミン、五香粉、唐辛子など。また、冷凍食品の種類においても中国が群を抜いています。

水餃子や小籠包だけでなく様々な種類の点心など、外国にいながらにして自国の食文化を貫ける中国人が羨ましく思えると同時に、その豊かさを見るにつけ、中国人が世界中どこででも強くたくましく生けていける理由がわかるような気がします。

 

このスーパーに置かれている商品を眺めているだけで、中国の発展と対照的に日本がアジアの中でその存在感を小さくしつつあることが伺い知れますが、日本のお菓子はアジアの国々の中で今も受け入れられ、影響力を持っているようです。

日本で子供の頃誰でも食べたことがあるようなポッキー、コアラのマーチ、ハイチュウ、ポテトチップス、おせんべい、あずきアイスなどとそっくり同じものをここでも見つけることができますが、それらのほとんどは、日本ではなく中国、韓国、香港、台湾、マレーシア、ベトナムなどで生産され、販売されているものです。

食に関してはアジアの国々でそれぞれ異なっており、国ごとに独自の食文化を形成しているにも関わらず、お菓子に関してはどの国も日本のお菓子を取り入れ模倣しているのは印象的です。

日本のお菓子は漫画、アニメと並んで日本のソフト・パワーというべきなのかもしれません。